そのような状況で、ユーザーは遊ぶタイトルをどう選ぶのか。やはり、SNSで話題になっているタイトルは大きな存在感を持つだろう。
2000万本を売り上げたインディーゲーム『めっちゃカメレオン』がバイラルの波に乗って爆発的に売れたように、情報過多な時代においては、そもそも話題になる素質や、取り上げられやすい性質を持たねばならない側面もある。
昨今はビデオゲームとYouTubeのような動画配信プラットフォームの関係性は深くなり続けている。作品のあり方にも影響を与えているだろう。
先輩にあたる「掃除するだけのゲーム」すら存在する
そもそも、片付けるタイプのシミュレーションゲームは別にこの作品が初ではない。片付けを題材としたゲームはほかにも例があるし、コージーゲーム(安らぎを与えるゲームの総称)と考えればもっと幅広い関連作がありうる。
高圧洗浄機で掃除を行う『PowerWash Simulator』というゲームがあるのだが、何かをきれいな状態に戻すという意味ではこれも近い作品だと考えられる。
『PowerWash Simulator』は基本掃除をするだけのゲームだ。車をきれいにして、遊園地を掃除して、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界やスポンジボブの家すらも泥を落とすことができる。
はっきりいって掃除をするだけの作業ではあるが、徐々にキレイになる気持ちよさがある。シンプルな反復作業を好む人には向いているだろうし、きれいにする視覚的な変化もきちんと存在する。RPGのレベル上げのような、確実に積み上げていく喜びもあるだろう。
何より現実とは異なり、汚れないし明確なゴールが存在するのがいい。掃除も本を棚に戻す行為も、現実ではキリがないうえに、きちんと解決しきれない問題ばかりである。やはりビデオゲームなので楽しさを抽出できるのである。
また、作業といっても効率よく片付けるといった攻略方法は存在しうる。全体を把握していかに素早く攻略するか考えるのは、ビデオゲームをはじめさまざまな遊びに通じる楽しみ方だろう。
娯楽のおもしろさとは複雑である。仮にそれが作業といえるものであったとしても、人の適正によって楽しさが見出されたり、あるいは社会的な需要に応えることで価値を持ちうるのだ。


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