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オープンAIはグーグルと同じ道をたどるのか? 高邁な理想が邪悪なビジネスモデルにとって変わられる根本理由とは

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オープンAIなどの先端テック企業は、邪悪にならず、理念を大事にしていけるか(写真:Inkoly/PIXTA)

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日本でも日々話題となっているオープンAIとAI業界の実情を詳細に取材した全米の話題書、『エンパイア・オブ・AI』の日本語版が刊行された。
気鋭の若手ジャーナリストによる260人への300回以上にわたるインタビュー、7年に及ぶ取材活動から生まれた話題書を、ITに詳しい文筆家・情報キュレーターの佐々木俊尚氏はどう読んだのか。その所感を3回に分けて紹介する。今回は2回目となる。

『Empire of AI』を読んで気になったのは、オープンAIやアンソロピックなどの先端テック企業が、果たしてどこまで邪悪にならず、理念を大事にしていけるのかということです。

シリコンバレーには理念があった

『Empire οf AI(エンパイア オブ AI):新しい帝国が生まれるとき』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

シリコンバレーは、元々はアメリカ西海岸のヒッピー文化に土台があります。例えばアップル創業者のスティーブ・ジョブズは、人間の開放を求めてLSD(幻覚剤)を使用したり、インドを旅したりしていたのが、あるときコンピュータに出会います。

そして、それまで大企業しか持っていなかったコンピュータをパーソナルなものにすることが、人間の開放につながるという理念に燃えて、アップルという会社が生まれた。そんな伝説的な話がありますよね。

シリコンバレーはその文化を受け継いでいたので、そこにあるテック企業は、2000年代初頭くらいまではすごく理念に燃えていました。例えば1998年に創業したグーグルは、2000年代には一貫して「Don't be evil(邪悪になるな)」という理念を掲げていました。

実際、グーグルは世界中の知識をすべて検索できるようにして、その知をみんなに分け与えようとしました。そこで生まれた富をもとに、グーグルマップも無料、Gメールも無料、さらにアンドロイドというスマートフォン向けのOSを作り、これも無償で提供して世の中を良くしようと考えていた。

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