『Empire of AI』を読んで気になったのは、オープンAIやアンソロピックなどの先端テック企業が、果たしてどこまで邪悪にならず、理念を大事にしていけるのかということです。
シリコンバレーには理念があった
シリコンバレーは、元々はアメリカ西海岸のヒッピー文化に土台があります。例えばアップル創業者のスティーブ・ジョブズは、人間の開放を求めてLSD(幻覚剤)を使用したり、インドを旅したりしていたのが、あるときコンピュータに出会います。
そして、それまで大企業しか持っていなかったコンピュータをパーソナルなものにすることが、人間の開放につながるという理念に燃えて、アップルという会社が生まれた。そんな伝説的な話がありますよね。
シリコンバレーはその文化を受け継いでいたので、そこにあるテック企業は、2000年代初頭くらいまではすごく理念に燃えていました。例えば1998年に創業したグーグルは、2000年代には一貫して「Don't be evil(邪悪になるな)」という理念を掲げていました。
実際、グーグルは世界中の知識をすべて検索できるようにして、その知をみんなに分け与えようとしました。そこで生まれた富をもとに、グーグルマップも無料、Gメールも無料、さらにアンドロイドというスマートフォン向けのOSを作り、これも無償で提供して世の中を良くしようと考えていた。



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