最初におこなったのは、制御ありの状態での操作体験だ。まずは江尻さんによるお手本操作を見る。床に描かれた黒い四角まで、ドローンを移動させるというものだった。コントローラーの右側スティックを傾けて操作していく。
制御あり状態のドローンは、スティックを軽く傾けた程度ではゆっくりとしか進まない。いわば車の徐行運転だ。AT車でブレーキから足を離した状態のように、ノロノロと飛行していく。念願の初飛行だったが、筆者の頭のなかは不安でいっぱいだった。
「壊したらどうしよう……」
当然、体験者の操作では壊れないように作られているはずだが、完全初心者の筆者は怯えるばかりだった。
今思えば、自動車教習でもそうだった。「事故ったらどうしよう……」と不安いっぱいな顔でハンドルを握った20代の自分が顔を出す。致命的ペーパードライバーである筆者は、たとえドローンとはいえ最初は気が気でなく、ノロノロ飛行からはじまった。
続いて、反対方向へ移動をする。操作自体は逆にしているだけなので、難しいことはない。ただ、正面から操作していないので、ドローンの位置を正確に把握しづらい面がある。
筆者は位置把握のため影を頼ってみたのだが、影だけを見ていても正しい位置に移動させられず、結局はドローン自体をしっかり目視する重要性に気づかされた。
「ここら辺ですかね?」
「もうちょっと行ってみましょうか」
という会話を通し、また車の教習を受けた記憶が蘇った。「S字クランクだ……!」。あの「本当にこんなカーブ曲がれるのか?」という不安とそっくりな感情だった。
ドローンを右に左に動かした後、今度は、奥に手前に動かすことに。これくらいになると、スティックをどのくらい倒せばどのくらいのスピードが出るのか分かってくる。そう、車の教習所内ではあんなに怖かった時速40kmを、路上では遅く感じるあの現象である。
ピタッと理想通りの場所でドローンを止められ、気持ちが良かった。少し自信がついたところで、今度は、制御なしでの操縦に挑戦してみることに。
右に左におっとっと。繊細なタッチが求められる操縦
ドローンには通常制御がかかっているため、コントローラーから手を離すとブレーキがかかり、その場でホバリングする。しかし、時にはこの制御なしでの操作が求められるケースもある。電波が届かないような建物の中や、トンネルの中などだ。
災害の被害状況の把握や、不明者の捜索などに、一役買うこともあるドローン。こうした非常事態下では、制御なしでの操縦が求められるため、体験でもその状態で操縦させてもらえたのだ。


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