さらに、これまで「その他」事業に組み入れていた一般個人向けAIサービス「千問(Qwen)」のコンシューマー向けなど各種事業を統合し、「AI研究所・アプリケーション」を設立。この結果、4~6月期の部門別増収率は、統合後のアリババECグループが4%、AIクラウド・コンピューティングサービス部門が45%、AI研究所・アプリケーション部門が16%、その他が1%となった。
AIを稼働させるインフラとなるデータセンターの建設が世界的に急ピッチで進む状況を反映して、「AIクラウド・コンピューティングサービス」部門は大幅に伸びたのとは対照的に、アリババの「千問」を軸とする顧客へのAIサービス提供事業は低い伸びにとどまり、有料化などによる収益化の難しさをうかがわせた。
4~6月期の設備投資額75%増に
さらに4~6月期の設備投資額が前年同期比75%増の676億7800万元に膨らんだことが利益を圧迫した。主たる原因は、ハードウェアの納期変動に伴う仕入れ増であり、「(投資負担が増加する)トレンドの常態化とみなすべきではない」(呉泳銘CEO=最高経営責任者)としているが、AIサーバー向けの需要急増でメモリー半導体の価格が高騰していることも投資負担を膨らませている。
アリババに先立って4~6月期決算を発表したテンセントの売上高は同11%増の2047億9000万元、純利益は同0.7%増の560億元にとどまった。やはり「元宝」などのAIアプリケーション開発コストが足を引っ張ったとみられている。
対照的にデータセンター向けなどにメモリー半導体を製造する長鑫科技(CXMT)の26年1~3月期の純利益は247億元と25年通年(18億7000万元)の13倍以上に膨らみ、7月27日の上場後またたく間に中国の上場企業の時価総額トップに躍り出た。現状はAIを稼働させるためのインフラ事業ばかりが儲かり、肝心のAIは大きな収益を生むには至っていないのが実情だ。
(財新記者:包雲紅 顧昭瑋)
(財新記者:包雲紅 顧昭瑋)
※中国語原文の配信は8月21日


※ログイン後、コメント入力が可能です。