これを受けて、アメリカの長期国債の価格は上昇し、利回りは大幅に低下した。世界の国債利回りにも低下が波及した。
一連の動きは、FRB(連邦準備制度理事会)による量的緩和とは異なる。中央銀行が金融緩和を目的に大量の国債を購入するのではなく、財務省が債務管理政策の一環として既発国債を買い戻し、市場の流動性を改善する措置である。
長期金利が19年ぶりの高水準に達した直後にアメリカ財務省が買い戻し拡大に動いたことは、長期金利の急騰をアメリカ政府が強く警戒していたことを示している。実際、8月19日の発表後、世界的な債券売りはいったん収まり、8月20日には世界の長期債市場が反発した。
ドル円の動きはもはや短期的なものではない
ただし、スコット・ベッセント財務長官の政策の影響は一時的なものにとどまった。為替レートは円安のままだ。
ドル・円レートを動かしているのは、短期的な要因というより、経済の基本にあるファンダメンタルズだと考えざるをえない。為替レートは、保険会社の投資以外の、極めて大量の資金の動きによって決定されるので、その動きのほうがはるかに大きな影響を与えているのだ。
円安が続くのは、日本経済に対する成長の見込みが少なくなっていることの影響だとしか考えられない。したがって、ファンダメンタルズが変わらない限り、長期的な金利の上昇と円安という方向は変わらないと考えるべきだろう。


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