実質的な定年廃止を目指す塩野義製薬
今、日本ではリタイアにまつわる大きな社会変革が起きている。
筆者はこれを「リタイア・シフト」と名付け、個人と企業のリタイアにまつわる意識変化を追っているが、まさに企業が「リタイア・シフト」への対応に直面していることを示すようなニュースが入ってきた。
塩野義製薬が「実質的な定年廃止」を目指すと報道され、話題となっている一件である。
報道によれば、塩野義製薬は2027年度以降の制度変更を目指すとしているのでまだ確定ではなさそうだが、「定年廃止」というパワーワードにメディアからも関心が高いようだ。
そもそも定年を廃止している企業はあるのだろうか。
実は「65歳定年」企業が増える傾向はあるものの、「定年廃止」企業は多くない。
厚生労働省の「高年齢者雇用状況等報告(令和7〈2025〉年)」を見てみると、最新版で「65歳定年企業」「66歳以上が定年の企業」「定年廃止企業」をすべて合計すると3社に1社にもなる。
そのうち、近年急上昇しているのは「65歳定年企業」で27.2%だ。令和元(2019)年調査で17.2%であったことを踏まえると、制度変更のペースはかなり速い。
しかし、「定年廃止企業」となるとあまり多くはない。わずか3.9%というのが実態だ。
この数字は統計に明記されるようになってから大きく増えていない。令和元年の「定年廃止企業」の割合が2.7%であるから、割合としては大きく伸びてはいるものの、全体としては急増とは言えない。
要するに、企業は「定年廃止」については及び腰ということだ。
※「令和7年 高年齢者雇用状況等報告」P5
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66853.html
※「令和元年『高年齢者の雇用状況』集計結果」https://www.mhlw.go.jp/content/11700000/001289416.pdf


