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塩野義製薬「実質的な定年廃止」へ…《実質的》の但し書きに漂う大企業の"シビアな本音" 残る人、切られる人の違いは?

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塩野義製薬 企業ロゴ
塩野義製薬は「実質的な定年廃止」を目指す方向です(撮影:ヒラオカスタジオ)
  • 山崎 俊輔 リタイアメント・アドバイザー/AFP
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今回の塩野義製薬の一連のニュースでは「実質的な」という表現をしている。この4文字に引っかかった人は多いと思う。

ただの定年廃止ではない、ということを匂わせているところに、企業の事情が垣間見える。

高齢労働者の待遇は大きく改善される

今回の報道がまだ未確定であることをあらかじめお断りしたうえで、同社が目指していると思われる制度改正は以下のような内容だと筆者は考える。

・現在の60歳定年を、65歳定年とする(65歳までは正社員であって継続雇用ではないので、処遇が大きく下がることがなくなる)
・65歳以降も、正社員と同等の待遇で働き続けられる(65歳以降は継続雇用となり、正社員ではなくなると思われる)
・労使双方の希望が一致すれば、雇用契約を1年ごとに延長し続けることができるが、上限年齢を定めない(多くの企業は65歳定年の場合でも「継続雇用は70歳まで」のように上限を定めている)
・これにより、定年延長が廃止されたのと実質的に同等の仕組みとなる

報道に表れていない情報もあるだろうし、最終的にどのような制度改定で労使の調整が落着するかはまだわからない。

しかし、65歳以降も「賃金が大きく下がらない」「業務内容が変わらない」という2点が労使合意されるとすれば、ここは高齢労働者の待遇の大幅な改善だろう。

今まで継続雇用者は低賃金、かつ業務内容についても、つまらない業務をあてがわれることがしばしばだったが、それはないということだ。これは社員の働きがいを大きく高めるだろう。

しかしながら「実質的」というところがミソだ。会社としては65歳以降については契約更新をしないという選択肢を残すことができる。

人材の余剰感があるときや、社員側が健康状況に不安があるにもかかわらず更新を希望しているときなど、話し合いのもと、契約を終了させられる。

このあたりが調整のしどころだろう。無条件で「定年年齢廃止」とはしないところがポイントだ。

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