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塩野義製薬「実質的な定年廃止」へ…《実質的》の但し書きに漂う大企業の"シビアな本音" 残る人、切られる人の違いは?

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塩野義製薬 企業ロゴ
塩野義製薬は「実質的な定年廃止」を目指す方向です(撮影:ヒラオカスタジオ)
  • 山崎 俊輔 リタイアメント・アドバイザー/AFP
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企業の目線で考えると、「定年年齢」というのは便利な制度だ。特に解雇規制が厳しい日本においては、無条件で「X歳到達」で辞めてもらえるオプションは残しておきたい。

全国的に見ても「65歳超定年企業30.9%」に対し「定年廃止企業4%」という現実は、それを表している。

ちなみに、大企業に限ると定年廃止企業は0.7%と大きく下がるのも、人事の本音が透けている。

定年年齢に達しても、能力のある社員を手放したくないとしたら、該当する人材のみ定年後の雇用延長を指名して、「希望者全員に対して雇用延長」とはしないほうが会社としてはメリットがある。

優秀な人材、代替が効かない人材のみ雇用を延長する。一部の優秀な人材だけなら、賃金条件は厚遇してもいい。昔なら役員だけ居残っていたわけだが、その範囲を社員に広げることは人材不足の折、会社にとってメリットのある話だ。

しかし、社員の目線で考えたら話は違ってくる。指名されるか、されないかがわからないのは困るからだ。現在の「65歳まで雇用」の法制と同様に、「希望者は全員雇用される」ほうがありがたい。

社員の立場からすれば「70歳定年」あるいは「文字どおりの定年廃止」の条件下で、社員自身が「私は67歳で辞めます」のように退職タイミングを決められるほうがメリットが大きい。

これがまさに「リタイア・シフト」時代を象徴する、労使のせめぎあいだろう。

中小企業のほうが「定年廃止」しやすい

中小企業で定年廃止が比較的実現しやすいのは、もともと賃金水準が大企業と比べて低いので、そのまま60歳代も処遇し続けやすいことや、人手不足を背景に業務に対して属人的に対応していることが多く、「このまま、元気ならずっとがんばって!」とそのまま労務管理したほうが楽なことなどが挙げられる。

そしてもちろん、どうしても辞めてほしいときは、社長が直接社員と話し合いをして「円満に」辞めてもらえるのも中小企業の特徴と言える。同じやりかたは大企業では難しいだろう。

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