つまり、問題は「制度や情報さえ整えれば、勝手に届く」という段階ではない、ということです。
「やりたい」と思うまで、誰が支援するのか
今の日本には、頑張ろうとする子どもを応援する制度は一定程度そろっています。大学に行きたい、奨学金を申し込みたい、授業料を減免してほしい。そう思って調べれば、以前よりも多くの制度にたどり着けます。
しかし、本当の問題は、もっと別の場所にあるのです。「いい大学に行きたいです。でも家にお金がありません」……そう言える子は、すでにかなり前まで来ています。自分に選択肢があると知っている。努力すれば未来が変わると思っている。大学という世界を知っている。大人に「助けてください」と声を上げる方法を知っている。
そんな子に手を差し伸べる制度は、確かに増えてきました。しかし、「別に大学なんて行かなくていい」「勉強して何になるのか実感できない」「自分にはどうせ無理だ」と思っている子を、いったい誰が、どうやって支援すればいいのでしょうか。
「真の弱者は救いたい姿をしていない」という言葉があります。教育についても、同じことが言えるのかもしれません。僕たちはつい、頑張りたい子、頑張っている子を支援しがちです。支援しやすいからです。


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