制作スタッフは、撮影の半年ほど前から各地の団地にリサーチを行っており、滝山団地から情報として寄せられた「団地あるある」は、そのまま脚本にも採用されています。
滝山住宅管理組合によると、撮影期間は実に21日間。ロケ期間は悪天候に悩まされた、とのことで、名取裕子さん演じる「福田」がスーツケースを引きずって歩くシーンや、由紀さおりさん演じる「佐久間」の引っ越しのシーンなどは、雨をそのまま演出に取り入れて撮影されたといいます。
こうした“ハプニング”も含めて、昭和の雰囲気を今に残す「団地の飾らない日常風景」が、ドラマの世界観にマッチしたのではないでしょうか。
コロナ禍以降、団地に「撮影オファー」が殺到
そんな滝山団地に最初の撮影オファーがあったのは、是枝裕和監督による映画『海よりもまだ深く』(16年)です。このときは橋爪功さんらが撮影に訪れましたが、メインのロケ地は、是枝監督自身が暮らしていた、お隣の清瀬市にある「旭が丘団地」。滝山団地は、本編でははっきりとは登場しませんでした。
「『ロケ地』としての可能性を感じたきっかけは、20年に柄本佑さんと柄本時生さん兄弟の短編映画の撮影オファーがきたことです。
新型コロナウイルスの影響で、滝山団地での撮影は中止になってしまったのですが、このことを機に、同団地ではブログなどを通じて、内外に対して施設の魅力を発信するようになりました」(滝山住宅管理組合)
そうして、映画『あちらにいる鬼』(22年)の撮影オファーが舞い込んだといいます。
その後、ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』(23年、テレビ朝日)では重要なロケ地として登場し、清野菜名さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さん、岡山天音さん、そして宮本信子さんなどのキャストが同地で撮影に臨みました。


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