「障害のある人は、小さい頃から『なんでできないんだ』とか『また失敗したのか』って言われ続けてきて、萎縮している方が多くて。だから結構虚勢を張っちゃうんですよね。でも虚勢を張ると、できなかったときに商品が全部ダメになっちゃったり、全部その人のミスにされちゃうから、あんまりいいことはないんです。まずはありのままを受け入れる姿勢を示すことで、彼らも世界での立ち回り方がうまくなっていきます」
その考えが表れているのが「あれもよし、これもよし、すべてよし」という塾是だ。「今日できることは明日やろう」「失敗は他人のせい」という塾訓と合わせて、創立時に愼一さんが決めたという。
10のうち7〜8の力で、気持ちよく、長く
化粧石けん工場でもくもくと作業をする重田充儀さんのエピソードにも、「今日できることは明日やる」という塾訓が体現されていた。
「彼は養護学校の実習生の時はすごくテキパキ動いて、『白雪の詩』を綺麗に拭いて袋詰めする作業をやってたんですけど、実際会社に入ってみたら、針を持って石けんに穴を開けて『トンネル開通だ』って言って遊び出しちゃって……」
1年ほど粘ったが仕事にならず、粉石けんをつくる部署に異動すると、今度は粉石けんで砂遊びのように道路を作って遊んでしまった。その後も、いろいろな部署で試したもののうまくいかず、最終的にハマったのが「透明石けんの切り出し」という作業だった。


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