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「不穏すぎる」「何があった?」 旅行ガイド『るるぶ』が"ホラーな場所"を紹介する事情…異質すぎるガイドブックの逆転劇

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るるぶ
旅行ガイドの代名詞『るるぶ』。長年、旅行のお供として選ばれています(写真:JTBパブリッシング提供)
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『るるぶ』も実は、00年代初頭から人気アニメの聖地巡礼ガイドなどを先駆けて手がけ、近年は『北斗の拳』や『夏目友人帳』などの案内を出版している。今回のモキュメンタリーホラーへの参入は、「一見突拍子もないように見えて、実は長年培ってきたガイドブックの編集技術を新しいエンタメへと応用した拡大戦略の一環」(長岡氏)なのだという。

読者を「実は現実の話なのではないか?」と錯覚させるリアリティは、半世紀にわたり旅行ガイドを作り続けてきたプロのフォーマットだからこそ生み出せる強みだったのだ。

自治体が全面協力「いわくつきの場所」の意外な効果

さらに興味深いのが、この「存在しない不気味な街」のロケ撮影に、実在する自治体である栃木県足利市の「足利市みどりと文化・スポーツ財団」が全面協力している点だ。同市は発案者の柿沼氏の出身地でもある。

通常、自治体にとって「幽霊が出る」「怪異が起きる」といった“いわくつきの場所”として紹介されることは、マイナスイメージにつながりかねない。しかし、この前代未聞のオファーに対し、足利市側は「ぜひやりましょう!」と前のめりに応じたという。

実は足利市は、もともと映画やドラマのロケ誘致に非常に積極的な自治体だ。今回も、歴史ある寺院「大岩山多聞院最勝寺」や国の有形文化財「トチセン」などが実名で誌面に登場することで、ホラーとしてのリアリティが格段に増した。

「大岩山多聞院最勝寺」や「トチセン」が登場するページ。インタビューした住職や社長は実在し、実名登場だ(写真:JTBパブリッシング提供)

自治体側の狙いは明確である。現代のエンタメ市場では、作品のファンが舞台となった場所を訪れ考察を楽しむ「聖地巡礼」が、新たなツーリズムとして確立しつつある。

日本国内における「聖地巡礼」の経済効果は、すでに複数の実例で定量的に裏付けられている。例えば、『るるぶ』も聖地巡礼ガイドを発売している人気アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』。静岡県沼津市が作品の舞台となり、アニメ放送から10年経った今も多くのファンが訪れていることで知られる。

地元の観光案内所のデータやアンケートから経済効果を調査した、静岡英和学院大学の毛利康秀教授によれば、沼津市への経済効果は50億円前後に及ぶという(※)。

※:静岡新聞DIGITAL「経済効果50億円…『ラブライブ!サンシャイン!!』聖地・沼津市 放送から10年経過もファンを離さない“まちの魅力”の正体【ニュースを追う】」(2026年7月14日配信)

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