綺麗な景色をPRする従来の観光誘致だけでなく、フィクションの舞台として「ファンがわざわざ足を運びたくなる文脈」を作ることこそが、新しい地域活性化のビジネスモデルなのだ。
「ただ怖がらせて終わりではなく、最終的には地域の魅力発信や聖地巡礼的なメリットを生み出したい」(長岡氏)という出版社の思惑と、自治体の熱量が見事に一致した結果と言える。
現実と非現実の狭間を切り拓いた、新しい「旅のカタチ」
『るるぶ■■版 蓋ヶ瀬』という新機軸の1冊がもたらす体験は、今後の出版ビジネスや地域活性化にどのような可能性をもたらすのか。
JTBパブリッシングは、今回のモキュメンタリーホラーを皮切りに、「目的地が隠されたガイドブック」や、架空の物語の舞台を実際に巡る体験イベントなど、体験型・考察型の企画を積極的に横展開していく構想を描く。
「見る・食べる・遊ぶ」という『るるぶ』の基本理念は、実在の観光地を巡るだけにはとどまらない。非日常の虚構世界を体験するエンタメ領域へと拡張し始めた。架空の恐怖世界を旅し、考察し、面白がる。それもまた、出版業界と観光ビジネスが模索する現代の新たな「旅のカタチ」なのかもしれない。
長年蓄積したノウハウと、若手ならではの新しい視点、そして時代状況が複合的に絡み合って生まれたホラーガイド『るるぶ■■版 蓋ヶ瀬』。「存在しないのか存在するのかもわからない」異質な世界への扉が今、開かれようとしている。



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