秋冬の登山は日暮れの早さに要注意
低山=低い山という単語は、「低いから、登山慣れしていなくても大丈夫だろう」というようなイメージを喚起させやすい。かつての私も、似たような思いを持っていた。
ところが決してそんなことはなく、高かろうが低かろうが、山での遭難事故は身近なものなのだ。
今回は前編にひきつづき、『低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』(羽根田 治 著、東洋経済新報社)から低山遭難の実態を紹介していく。
秋から冬にかけての時期、日の出は遅く日没は早い。つまりは日が短くなるわけで、低山の山間部や樹林帯などでは午後3時を過ぎると薄暗くなってくるのだという。
しかもこの時期の登山は、日の出時刻の遅さと寒さの影響から、夏にくらべると行動開始時刻が遅くなりがちだ。
そのうえ日没も早いため、行動中に時間的なロスがあると、あっという間に日が暮れてしまう。
すると、「早く降りなければ」と焦りが生じる可能性が大きくなる。要するに、道迷いや転滑落などのリスクも高まるわけである。


