映画の世界をディズニーランドとして実現する際にも、徹底的な没入感が必要になる。「完璧であり、ファンのために正しくあるべきだ」という基準を守り続けることが、ファンの信頼につながると考えているわけだ。
CGやロボット技術などの最新技術活用についても、結局は「どう完璧にするか」のための要素といえる。そのために、ディズニーランドの建設には多額の費用がかけられているのだ。
クルーズ船がディズニーへの新たな接点に
現在のディズニーは、多数の映像IPとテーマーパーク事業、グッズ展開などの多面的な要素を持つコングロマリットだ。同様のことを目指す企業は多いが、「徹底」という文化を含め、真似できているところはほとんどない。
ダマーロCEOは「複数の事業が融合していること」こそが大きな価値を持っていると話す。
「私たちの事業は、それぞれ単体でも十分に成り立っています。映像配信は素晴らしいビジネスであり、赤字だった状況から、現在では大きな利益を確保するビジネスへと成長しました。映画ビジネスも、今後のラインナップは本当に素晴らしいもの。この分野でも多くの素晴らしい企画が控えており、挙げればキリがありません。それぞれのビジネスは単体でも素晴らしいのです。しかし、これらが一体となってファンにシームレスで包括的なディズニー体験を提供するとき、それはファンにとって素晴らしいものであると同時に、ビジネスとしても極めて強力なものになります」(ダマーロCEO)
作品のファンになり、配信で日常的に接し、ディズニーランドで没入し、グッズからも楽しみを得る。こうしたサイクルを、ディズニー内部では「フライホイール」と呼んでいる。1つ1つを徹底し、次に回していくことが、ファンエンゲージメントの拡大につながるのだ。
一方で、それらが「続編」「フランチャイズ作品」に頼っている、という批判もある。そのことはディズニー自身もよくわかっているようだ。今回も『水の都のネロ』『クレイ(原題)』などいくつかの完全新作が発表された。そのうちどれがヒットするかはわからないが、とにかく作り続けるしかない。
同時に、エンゲージメント拡大の施策としてディズニーが期待する方向性が2つある。


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