中国国内の教育レベルも非常に高いが、自分の子どもは勉強漬けの環境には向いていない。このままでは親も子どももどんどんつらくなってしまう。
また、親のどちらか一方が自身のキャリアや時間を犠牲にして、子どもを欧米へ留学させた場合、中国から遠く離れるため、家族3人で気軽に会えなくなる。
これまでとまったく異なる文化圏に置かれることが、子どもにとって本当にいいことなのか、夫婦は疑問を感じたという。それならば、中国から気軽に行き来ができる日本のほうがいいのではないかと考えるようになったそうだ。
子どもをのびのび成長させたい
日本語能力の習得は必須だが、日常生活ができるレベルであれば何とかなりそうだ。「費用に関しても、日本のインターナショナルスクールのほうが欧米より安いと聞き、親の日本語が上達すれば普通の公立・私立学校に入れてもいいと考えている」と夫婦は語ってくれた。
つまり、「自分の子どもがのびのびと成長できる環境」を考慮した結果、日本が最適だと判断したのだ。
しかし、直面する課題も多い。ボーディングスクール(寮制学校)に入れたとしても、親自身は子どもの近くにいたいと考えているため、どのようなビザ・在留資格で滞在できるのかが悩みの種となっている。
日本でもインターナショナルスクール(特に名門校)の誘致が進んでいるが、「中国人の生徒が多すぎないか」「教育の質はしっかり保たれているか」、そもそも口コミ以外で「どこから情報を集めればいいのか」がよくわからない状況だ。
もちろん夫婦には日本への留学の経験がある知人はいるが、学校と直接やり取りするよりエージェントを使っているケースが多く、不透明さや不信感を抱く要素も多いという。
中国人の若手富裕層は、他人から見ていちばんいい選択ではなく、自分や自分の子どもにとっていちばんだと思える選択肢を選ぶ。その結果、日本が新たな進学・転校先の候補として浮上してきたのだ。
これはまだごく一部の動きかもしれないが、日本の教育産業も、彼らのニーズを捉え、適切にアプローチしていくことには大きな価値があるのではないだろうか。


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