初めて高市早苗氏を取材したのは1997年4月、衆議院選挙当選2回で、新進党から自民党に移って半年後だった。「松下政経塾時代の85年に松下幸之助氏(現パナソニックの創業者)の『今は大きな転換期。世界の構造も国の仕組みも変化する』という話を聞き、24歳で政治家になる決心を」と明かした。徒手空拳で政界に挑み、初心を貫いて40年後、首相の座に到達した。
最大のキャラは「メンタルは強烈」と評される強靭な精神力だ。自分流へのこだわりは絶大で、人の話は聞かない、自分で決める、決めたら変えない。立ち往生することもあるが、そこでの言い訳と取り繕いの才も一級品のようだ。
2025年10月の首相就任後、ほぼ独断で26年2月の衆院選を設定し、超大勝を遂げた。その後の特別国会もおおむね目算どおりに乗り切った。だが、就任当初と比べれば逆風も強まっている。
批判の第1は「できれば答弁回避」の国会軽視姿勢だ。特別国会での総答弁時間は約30時間で、歴代首相の半分にすぎなかった。
もう1つの「静かな逆風」は自民党内の「高市支配への見えない反発」だ。首相は衆院選で飲食料品の消費税減税(軽減税率8%を2年限定で1%に引き下げ)を公約に掲げ、国会終了後の8月5日に閣議決定した。その約1カ月半前の6月後半、減税反対派の小渕優子・元経済産業相が自民党税制調査会のインナー(非公式幹部会合)のメンバー辞任を申し出て話題となった(辞任決定は7月30日)。
小渕優子氏が明かした党内の空気
小渕氏を7月23日にインタビューした。高市政権発足後の自民党内の空気の変化について、「自民党はいろいろなことを言い合えるのがいいところだったけど、みんながちょっと口を閉ざしているところがある」という批判の姿勢を示した。
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