誤解を恐れずに言えば、一般道路で常用するアクセル操作量ではe SKYプロトタイプの加速特性は “ 普通” である。あくまで筆者の体感上での比較だが、スズキの売れ筋軽自動車である「ハスラーHYBRID Xターボ」のほうが速さの演出では上にくる。
「これまで軽自動車に乗ってこられた方々にすんなり受け入れていただける、そんなBEVを目指しました」。そう説明くださったのは、スズキの野寺泰徳さん(四輪電動技術本部・四輪EV設計部長)だ。
今回はプロトタイプで細かなモータースペックの発表はなかったが、例えば日産自動車「サクラ」や三菱自動車「eKクロス EV」のようなドンと出る連続した加速力は体感できなかった。e SKYではアクセルペダルを戻すことで回生力の調整ができる「イージードライブペダル」を採用するが、走行特性に変化を持たせるドライブモードの設定はない。
BEVらしさ、内燃機関らしさの共存
周回を重ね、駆動特性を細かく見ていくと、なかなか凝った制御であることがわかってきた。具体的には、アクセルの踏みはじめの一瞬こそ反応は鋭い。なので、発進の瞬間はアクセルペダルとクルマの一体感が強くなる。ただ、その後、アクセル開度を一定にしたままだと、BEVの看板とも言えるグンとくるような加速力はない。ここはまさしく、内燃機関の軽自動車そのものの走りだ。
とはいえ、最新のBEV。ちゃんと踏み込めば前述のハスラー・ターボモデルと同等の速さを見せる。さらにイージードライブペダル機能をオンにすれば、強い減速度(低速域になるほど強く、最大は▲0.2G程度か?)も生み出せる。こうした加減速方向での高い分解能により、ドライバーは難しいことを考えなくともスムースな走りが行える。ここはきっと、多くの人から支持される性能だろう。


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