ショルダーラインとも呼ばれるこうしたアーチラインで意味深いのは、単にデザイナーのひらめきで描かれていないこと。前後フェンダーアーチの弧、同じく前後オーバーハングの終わりの巻き上げ処理、さらには前後タイヤ位置との3点を連携させる立役者として立派な役割を果たしている。
全長3400mm縛りの軽自動車を大きく見せるのではなく、一体感、そしてまとまり感で新しいスズキのデザインを表現した。逆張りとも言える発想が筆者にとっては実に興味深かった。
後ろ姿はスッキリ。グリルレスの前面と意匠を合わせるため、テールパネルにも膨らみをもたせ立体感を強調するがキャラクターラインなどは用いず、素の良さで勝負する。これも実に心地よい。
機能美あふれるインテリア
車内に目を向けると、陶器を思わせるオフホワイトのインパネトレーが存在感を主張する。このトレーに対してブラックトリムの液晶パネルがそそり立つようデザインされていて、配色以上に立体的なコントラストもハッキリさせた。これまでたくさんのクルマを見てきたがe SKYの運転席まわりはまとまり感が強い。この衝撃は、はじめて「GSX1100S KATANA」(スズキの大型二輪で日本刀がモチーフ)にまたがり、インパネをまじまじと見たときと同じくらいだ。
e SKYの場合、見た目だけじゃなく機能的でもある。まず見た目。運転席に座り身長170cmの筆者が正しいドライビングポジションをとると、助手席のドアトリムからインパネトレー、そして運転席のドアトリムに至るまでを取り囲む造形がとられており、コクピット感が強烈だ。
ただ、それでいてスポーツ色が強いとか、男性向きという偏りは一切なく中庸。「移動体としてあるべき運転席まわり」という印象を強く抱いた。外観で紹介した弧を描くショルダーラインに起因して車内からだと若干ウィンドー位置が高くなるが、少なくとも筆者の体軀では包まれ感の演出として捉えることができた。


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