さっそく、e SKYの外観をじっくり観察する。なるほど、スズキの美点が随所に生かされていると感心しきり。アルトからジムニーまで、さまざまなカテゴリーの軽自動車を造り分けているからこそ、良い意味でスパッと割り切れたのだろう。
素直に良いなと思えたのは、大きく見せようとか、尖った印象を与えようという飛び道具感を抑えてきたことだ。
JAPAN MOBILITY SHOW 2023に出展されたBEVコンセプトカー「eWX」がベースであることは明らかだが、似ているのはシルエットだけで、よく見ればe SKYの世界観が丁寧に表現されている。前面のグリルレス処理はBEVであることの象徴で、国内外の各BEVもこぞって採用するが、e SKYではそこに独自解釈を持ち込んだ。
世代を問わず、受け入れられるデザイン
例えばCI(コーポレート・アイデンティティ)マーク。車体に対して意図的にサイズを大きくしたスズキCIマークを、膨らみをもたせた3次元処理を施したバンパー上部に配置した。反対にヘッドライト下部からは深めの陰影が出るように凹みをつけコントラストを強める。ちょっと後ろに下がって車体全体を眺めると、CIマークが顔の鼻位置に重なるため、眼(ヘッドライト)の大きい小動物に思えてくる。奇をてらったものではないが、ボディサイズに制限のある軽自動車では新鮮に映る。
対してサイドシルエットは温故知新。だから全世代に受けそうだ。ボンネットの先端からボディ後端にかけて、1955年に登場したスズキ「スズライトSL」(貨物兼用ライトバン)を思わせるなだらかな弧を描く。頂点は運転席に座るドライバーの肩位置あたりで、そこを境に前方はきつく、後方はやや緩い。クラウチングスタイルとは真逆になるが、ルーフの黒色塗装(取材車はすべて2トーンのボディカラー)と相まって、短い全長での塊感演出には効果絶大。


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