新刊『RETIRE SHIFT(リタイア・シフト) 人生100年時代の引退戦略』が話題となっているリタイアメント・アドバイザーの山崎俊輔氏が、50代のうちから知っておくべき私的年金について、そして引退後の資産取り崩しの考え方について解説します。
さまざまな私的年金、どう違うのか
私的年金、あるいは企業年金という言葉はあまりなじみがないかもしれない。
リタイア(仕事の引退)のタイミング、そしてリタイアを取り巻く環境自体が大きく変わる、社会の一大変革「リタイア・シフト」が今、まさに起こっている。この時代にリタイア戦略を考える上で、私的年金についての理解は欠かせない。わかりやすく解説していこう。
私的年金は、公的な加入義務がなく民間で任意に設立されていて、個人が加入する制度を指している。特に企業年金、つまり会社が実施しており、そこの社員だけが加入できる私的年金がそうだ。
退職金や企業年金の実施率は約75%である(厚生労働省「令和5年 就労条件総合調査」)。
大企業ほど実施率は高まり9割程度になるが、中小企業ほど低くなる。現金で退職時に一括払いをする退職一時金制度と、年金受け取りの選択肢がある企業年金制度がある。
企業年金は本人の希望で一時金受け取りもできることと、外部保全体制が整っているため、企業の破綻時などに安心できることがメリットだが、実施率は高くはない。これも大企業ほど実施率が高くなる。
企業年金についてはさらに、会社が積立から運用・給付までやってくれる確定給付企業年金と、運用は自分で行なう確定拠出年金(企業型)がある。
2制度の合計で1749万人(2025年3月末)と、かなり多くの会社員が加入しているが、会社員全体に占める割合としては半数以下、おおむね3人に1人くらいというところだ。
確定給付企業年金は会社の指定する年齢、年数で受け取る。確定拠出年金は自身の希望する年齢(60~75歳)から、希望する受け取り年数(5~20年の範囲)で受け取ることが可能だ。
かつて、確定給付型の企業年金は終身年金を志向していたが、近年では有期年金のみとすることが増えている。10年あるいは15年有期の設計が多いようだ。
もし65歳からもらい始めたとすれば75~80歳の安定収入となりうる。



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