だが、その感覚はいきすぎると「推しの人生をコントロールできる」というおかしな全能感につながってしまう。
推し活がうまく回っているときはいいが、おかしな全能感を強く持ちすぎると、自分の意にそぐわない選択をアイドルが取った際に、一転、攻撃に転じがちである。
例えば今回、「せめて子どもが15歳になるまで隠し通していてほしかった」というような意見を見たが、これは明らかに、アイドルの人生、そしてそのアイドルの家族の人生までコントロールしようとする、“おかしな全能感の成れの果て”である。
ジャニーズファンにとっての見返りは「“売れる”こと」
ただ、推し活文化が盛り上がる前からジャニーズのファン文化は存在する。それゆえか、旧ジャニーズ界隈ではCDの大量買いの意味合いが、少し異なってくるのもまた事実だ。
女性アイドルやK-POPなどの界隈では、CDを複数枚買うことで、握手会やハイタッチ会に参加できたり、ライブの当選確率が上がったりする“見返り”が発生することもある。
一方で、STARTOではジャニーズ事務所時代から握手会は基本的にデビュー時のみしか行われないなど、複数枚購入を促すシステムになっていなかった。言い換えれば、ファンにとって複数枚購入の“見返り”は薄い。
ジャニーズファンにとってCDの大量買いは、見返りのない“無償の愛”になってしまいがちなのだ。見返りがあるとすれば、自分のその行為によって、チャート上位にランクインするなど、タレントが“売れる”ことなのである。
それゆえか、今回のWEST.の結婚発表には「売れる気ないんか?」といった言葉も目立った。確かに、アイドルに「売れる」というワードを出すことは一見、その意見を正義のように見せる効果がある。「売れる」ことから遠ざかる行為は悪とされがちだ。こういったファンの反応は、アイドルに「売れる」か「結婚」かの二者択一を迫っているかのようでもある。


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