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プーチン「北方領土入り」が東アジアの歴史的転換点になるワケ…突飛な行動に隠された中国・北朝鮮、欧州との点と線

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8月13日、ロシアのプーチン大統領は択捉島に入り、ヤスニー水産加工複合施設などを訪問した(写真:EPA=時事)
  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
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一方で、プーチンにとって、今回の北方領土入りには対日牽制以外にもう1つ大きな狙いがあった。ウクライナを強力に支援する欧州への警告を行うという思惑だ。

これを象徴する場面が、択捉島入りする前日にあった。太平洋艦隊の旗艦ワリャーグ艦上で、プーチンが異例の発言を行ったのだ。ウクライナ侵攻をめぐるロシアと欧州との間の軍事的緊張が、太平洋にも波及しているとの強い危機感をこう表明した。「NATO(北大西洋条約機構)がこの地域に進出してきた。新たな紛争の潜在的可能性が作られている。新たな軍事政治的ブロックが創設され、新たな兵器システムが配備されようとしている。これがわが国に脅威をもたらしている」と。

プーチンの念頭にあったのは、NATO加盟の欧州諸国と日本の間の軍事的協力関係が近年、かつてない形で深まっていることだろう。象徴的なのは、25年9月、インド太平洋地域に長期展開中の英空母打撃群(CSG21)の英空母「クイーン・エリザベス(Q.E)」が、在日米海軍横須賀基地に寄港したことだ。

わざわざプーチンが極東で欧州に警告した意味

さらに今回、筆者が驚いたのは、プーチンが欧州から遠く離れた極東でわざわざEU(欧州連合)への強い警告を行ったことだ。EUは最近、NATOとは別に欧州独自の軍事機構化へ変貌するような動きを際立たせている。プーチンの批判の対象となったのは、最近EUがロシアの影の船団に対する取り締まり活動の対象海域をインド洋まで拡大したことだった。

プーチンはこう警告した。「もしEUがこの決定を実行すれば、報復する。その海域はわが国の船が襲撃された海域とは限らない」と。つまり、太平洋艦隊が管轄する太平洋海域で欧州船を対象に報復する可能性があると警告したのだ。太平洋地域がロシアと欧州との直接的な軍事力の衝突の場になる可能性があると述べたのだ。これに合わせて、プーチンは太平洋艦隊の戦力整備の方針も示した。

もちろん、こうしたプーチンの太平洋艦隊の増強発言は冷静に受け止める必要がある。ウクライナ侵攻の戦費増大に苦しむロシアに、太平洋艦隊増強に資金を投入する余裕はないはずだからだ。

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