聞かなければいいとわかっていても、質問をやめると放置しているような気がしてしまう。何かしていないと、不安が消えない。こうして、会話は安心のためのものではなく、不安を確認するためのものへと変わっていきます。
雑談は減り、言葉を選びながらの会話は負担になり、空気は重く、会話そのものが疲れるものになります。夫婦の会話も、自然と「対策会議」のような形になっていきます。
何も言わなくなったきょうだい
家庭の中が非常事態のような状態になると、その影響はきょうだいにも及びます。ただ、その変化はとても静かで、問題として扱われることはほとんどありません。
きょうだいは、少しずつ話さなくなっていきます。最初から何も言わないわけではありません。何かを言おうとすることはありますが、その言葉を飲み込む場面が増えていきます。今は言わない方がよいのではないか、今はこの話をするタイミングではないのではないか。そうやって自分の中でブレーキをかけるようになります。
家庭の空気は、言葉にしなくても伝わります。親が余裕をなくしていること。不安を抱えていること。家の中に触れてはいけない話題があること。そうしたものを感じ取るほど、きょうだいは自然と空気を読むようになります。
その結果、「言わない」という選択が増えていきます。「どうせ伝わらないかもしれない」「今は自分の話をするべきではない」と思うようになり、少しずつ自分の気持ちを外に出さなくなっていきます。
話さなくなることで、表面上は問題がないように見えることもあります。しかし実際には、言葉にできなかった思いや感情が、そのまま内側に積み重なっていきます。


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