また、この「ペロブスカイト」は、光を吸収する能力が高いのも太陽電池として有用な特徴の一つである。太陽光をすべて吸収するために、従来のシリコンでは、150~200μm〈マイクロメートル〉(炭酸せんべいの厚み)が必要であるが、ペロブスカイトでは、数百nm(ナノメートル)程度(1μm未満、髪の毛の直径の100分の1)と、250分の1未満の厚さで十分である。
下図に示すように、ペロブスカイト太陽電池はデバイス構造もシンプルである。

基本的には、ペロブスカイト層(i層)を、プラス(正孔)とマイナス(電子)の電荷を選択的に取り出すp型とn型の電荷輸送層(p層とn層)と電極で挟むだけのシンプルな構造である。発電の仕組みとしては、太陽光が透明電極を通ってペロブスカイト層で吸収されると、正孔と電子の電荷を生成し、それらがp層とn層を介して、それぞれ各電極に流れることで発電する。
向上する光電変換効率
ペロブスカイト太陽電池の性能を示す「光電変換効率(太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する割合)」は、09年に報告されたものではわずか3.8%程度であったが、その後、12年に10%近くの効率が報告されると、世界中で一気に開発研究が活発化した。
私たちは、いち早くこの太陽電池の開発研究に取り組み、材料の本質や発電メカニズムの解明に基づいて、独自の材料開発やデバイスの作製法の開発に取り組んできた。
16年には、国内でもさきがけて、実用化の目安となる20%を超える光電変換効率を達成した。現在、ペロブスカイト太陽電池の光電変換効率は、研究レベル(セルの場合で27.3%)では最大で27%を超えてきており、結晶シリコン型(27.6%)に肩を並べている。
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