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台湾で食用油など食品不祥事が繰り返される根深い事情、2026年11月の地方選を前に『食の安全』が政争の火種に

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台湾・台北市の夜市で食事を楽しむ人たち。一方で、台湾では食品安全の問題が頻発する(写真:2023 Bloomberg Finance LP)
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当初は「自主通報」と発表されていたが、5月の時点で取引先の台糖から異常を指摘されていたほか、6月には別の取引先である南僑からも指摘を受けていたことが明らかになっている。中聯油脂が最終的に6月30日に主管機関へ自主通報するまでの経緯についても、捜査の対象となっている。

ところで、台糖が5月の時点で中聯油脂から供給を受ける予定だった大豆粗油について異常を検出し、受け取りを拒否したにもかかわらず、行政機関への通報を行わなかった点について、野党の中国国民党(国民党)や台湾民衆党(民衆党)からは「怠慢」「隠蔽」などと批判する声が上がり、検察当局への告発に発展している。

これに対し、台糖の呉明昌理事長や衛福部次長の林静儀らは、台糖が検査したのは市場に流通する製品ではなく、精製前の「中間原料(粗油)」だったと説明している。

繰り返される食品安全問題、3つの代表例

繰り返される台湾の食品安全問題だが、過去に台湾全土を震撼させ、法改正や社会の意識変化にまでつながった代表的な重大事件が3つある。

まず、台湾の食品安全史上「最悪の化学汚染事件」とも呼ばれる11年の可塑剤汚染事件である。食品添加物の「起雲剤(濁り剤)」に、工業用の有害な可塑剤であるDEHPやDINPなどが、コスト削減を目的として長期間にわたり意図的に添加されていたことが発覚した。

汚染は清涼飲料水、スポーツドリンク、サプリメントなど幅広い食品に及んだ。台湾の食品薬物管理当局によると、汚染された食品・健康食品の一部はすでに海外にも輸出されていた。

発端となったのは、当時の行政院衛生署食品薬物管理局(TFDA)の検査結果からだった。11年、偽薬や違法薬物の取り締まりに関する検査を行っていた際、検査対象から本来想定していなかった異常なピークを発見。詳しく調べた結果、健康食品に含まれる原料からDEHPが検出され、追跡調査によって香料メーカーの「昱伸香料」や「賓漢香料」などが関与する汚染の実態が明らかになった。

当局は11年5月23日に問題を公表し、5月31日からスポーツドリンク、果汁飲料、茶飲料、ジャム・果漿・ゼリー類、カプセル・錠剤・粉末状食品の5大カテゴリーについて、可塑剤に汚染されていないことを示す安全証明を提出できない商品の販売・流通を禁止し、店頭から撤去する措置を取った。

刑事裁判では、昱伸香料の経営者・賴俊傑に懲役15年と罰金2400万台湾ドル(約1億2000万円)の判決が確定した。政府は事件を受け、食品安全管理の強化を進め、可塑剤の規制や食品のトレーサビリティー、企業の自主的な安全管理など、制度面の見直しを進めた。

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