サイモン効果は誰にでも起こるが、その効果の大きさには個人差がある。実験で刺激とボタンの位置の不一致を素早く、容易に克服できる脳もあれば、反応に時間がかかり、間違いも多くなる脳もある。
サイモン効果の影響をあまり受けず、位置の不一致がまったく気にならないことは、必ずしも長所ではない。適切ではない配置に気を取られることが、創造力を刺激することもある。
その意味では、サイモン効果の個人差は、良いものでも悪いものでもない。単に違いを示すものだ。
私の場合、「左側のボタンを押す」という刺激がスクリーンの左側に表示される「一致する」試行では、平均反応時間は503ミリ秒、つまりだいたい1秒の半分だ。
一方で、「左側のボタンを押す」刺激がスクリーンの右側に表示される「一致しない」試行では、平均反応時間は650ミリ秒と少し長くなる。
私個人のサイモン効果は、この2つの結果の差だ。それは要するに、刺激がスクリーンの「間違った」側にあって、刺激は右側にあるのに左のボタンを押さなければならないときに、反応がどのくらい遅くなるか、ということである。
私の場合、一致する試行と一致しない試行の差は147ミリ秒だった。この差は小さくて、意味がないように思えるかもしれない。7分の1秒の違いをなぜ気にする必要があるのだろうか? まばたきよりも短く、一見すると取るにたらない差だ。
サイモン効果に注目すべき理由
しかし、その間におこなわれているのは、きわめて速い判断ではあるが、脳にとっては判断であることに変わりはない。
こうしたコンマ何秒かの判断に注目するのは、とても効果的な手法になりうる。
実験の被験者にこうした種類の知覚タスクを与えることで、私は彼らの脳がどのようにして世界に注意を払い、矛盾を解消し、反応を抑制し、パターンを学習しているのかについて、基本的な特徴を数量的に表せるようになった。


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