しかし、販路を拡大する上でネックとなったのは、アイスパックを保管する冷凍庫の存在だった。
家庭用や業務用の冷凍庫は、マイナス18~20度前後で保存するが、当時のアイスパックはマイナス12度で保管せねばならず、専用の冷凍庫を設置する必要があったのだ。しかし、転機が訪れた。
「11年に『TOMIスジャータシルクアイス』は、家庭用冷凍庫でも保存できる仕様へと大きく改良されて、抽出機もコンパクト化されました。この改良がなければ、『くるくるアイス』は実現していませんでした」(金子さん)
この改良は、当時はあくまでも業務用市場での使い勝手を高めることが目的だった。しかし結果的には、家庭向けという新たな市場を切り開く土台にもなった。
社長の発案で家庭用ソフトクリームプロジェクトが始動
そこで20年、スジャータめいらくの日比治雄社長が「業務用として培ってきた品質をそのまま家庭へ届けられないか」と発案し、「くるくるアイス」の開発プロジェクトが動き出した。
技術的な土台はすでに整っていたとはいえ、そのまま商品になるわけではない。
家庭でも使いやすい抽出機の仕様はどうあるべきか。配送方法や価格設定、用意するフレーバーなど、クリアすべき課題は少なくなかった。まずはモニターを募集し、利用者の声を集めることにした。
「予算が潤沢にあるわけでもないので、モニターの募集も手作りのチラシを開発チームの自宅周辺にポスティングするというアナログな方法で行いました。何とか50名を集めて、22年の夏からモニターテストを繰り返しました」(金子さん)


※ログイン後、コメント入力が可能です。