その2つの間には大きな溝がある。例えば方程式、「5x=6+3x」を解くとき、両辺に-3xを足すから「5x-3x=6」となるのである。
一方、「右辺にある3xを左辺に移すと、3xの頭にマイナスを付けて上式のようになる」とだけ覚えている人もいる。
小学校や中学校で習う船と川の流れに関する「流水算」についても、次のような「流水算専用の公式」なるものがあり、これだけ覚えている人もいる。
静水での船の速さ=(見掛け上の船の下りの速さ+見掛け上の船の上りの速さ)÷2
川の流れの速さ=(見掛け上の船の下りの速さ-見掛け上の船の上りの速さ)÷2
高校数学でも、放物線と直線が2つの点で交わるとき、積分を用いることなくそれらに挟まれた部分の面積を求める「6分の1公式」なるものがあって、これだけ覚えている人もいる。
つまり根本から「理解していなくても、やり方をまねして問題は解ける」のだ。
「ゆとり教育」で授業時間が激減
筆者が高校生の頃の1960年代の高校数学は、数学Iが全員必修(5単位)、数学IIA(4単位)かIIB(5単位)が選択必修、数学III(5単位)が選択だった(理系進学の生徒はほとんどが履修)。
当時の数学Iの内容を見ると、分数式や無理式を含む式の計算、複素数を含む2次方程式、方程式と不等式(分数や無理や高次連立を含む)、関数(2次、分数、無理を含む)、一般角の三角関数、指数・対数の関数、平面図形と円などの式、順列・組合せと確率、集合と論理などである。これは、現在の数学II、A、B、Cに含まれている内容も多くある。


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