――核、ですか。
市野瀬:はい。どの記述問題にも、「これがないと0点だけど、これさえあれば80点は取れる」という核があります。細かい言い回しの上手さや、修飾語の綺麗さで点が入るわけじゃない。問いが何を聞いていて、本文のどこがそれに対する答えの核になっているか――そこを外さなければ、国語の点数を取れる。
――「問いが何を聞いているか」を読み解く力、ですね。
市野瀬:そうです。だから議論するんです。1人で解いていると、自分のバイアスに気づけない。でも4〜5人で「私はここが核だと思う」「いや、私はこっちだ」ってやり合うと、自分がいかに問いを読み違えていたかが浮き彫りになるんですよ。
「国語ができなければ、数学もいずれ伸び悩む」
――ここまでのお話を聞いていて、一つ聞きたいことがあるんです。よく「国語ができる子は他の科目もできる」って言うじゃないですか。あれって、本当なんですか?
市野瀬:はい、間違いなく本当です。というより、国語は他の科目にも必ず波及していきますよ、と私はいつも保護者の方にお伝えしています。
――断言されるんですね。
市野瀬:断言します。実際、渋渋で私が国語を担当した学年って、国語の平均点が伸びた年は、他の科目の平均点も軒並み伸びるんですよ。数学も、英語も、理科も、社会も。これは偶然じゃないんです。
――なぜそんなことが起こるんですか?
市野瀬:新井紀子先生がおっしゃっていることと全く同じなんですけど、どの科目のテストも、結局は「問いを立てた人が何を聞いているか」を読解する力が土台にあるんです。
――問いを読解する力。
市野瀬:例えば、新井先生が挙げていた例で、「0を割る」と「0で割る」って、助詞が1文字違うだけで意味が全く逆になりますよね。「0を割る」は答えが0。「0で割る」は数学的に定義できない。この違いを瞬時に読み取れないと、そもそも問題文が理解できないので、数学の問題は解けないんです。


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