今回、著書『東大合格者が身につけた 一生使える「読み方スキル」』を刊行した市野瀬先生に、東京大学入試を突破するための国語の「本当の勉強法」についてお話を伺いました。
超進学校の授業の中身は?
――市野瀬先生、いきなり本題なんですが、渋渋で高校3年生のクラスを担当されていたとき、国語の入試対策は具体的にどうやっていたんですか?「東大の国語というのは才能なんじゃないか」「勉強しても成績が上がるものではない」なんて意見もあると思うのですが。
市野瀬先生(以下、敬称略):はい、自分は東大の過去問を含めたいくつかの国語の文章問題を、だいたい10時間くらいかけて授業を行っていきます。
――え、ちょっと待ってください。1題に、10時間ですか?
市野瀬:はい、10時間です。2〜3週間かけて、1つの文章問題を掘り下げていきます。1つの文章問題に記述の問題が5問くらいなので、2コマ分で1つの記述問題、というようなペースでしょうか。
――他の学校だと「東大過去問25年分を解け」みたいな話じゃないですか。それを、1題に10時間!? そんなに時間をかけて1問を解いていくんですか、すごいですね……。
市野瀬:まずは生徒に、個人で解いてもらうんです。時間を測って、本番と同じ条件で。それを回収して、私が採点します。で、次の授業では、その問題を4〜5人のグループに分かれて議論してもらうんです。
「あなたはこう書いた」「私はこう解釈した」って、お互いの答案を持ち寄って。
――なるほど、いきなり答え合わせじゃなくて、議論なんですね。
市野瀬:そうです。で、グループでの議論が終わったら、今度は全体発表を行います。各グループの代表が「私たちのグループはこう読みました」と発表して、他のグループが「いや、それはこうじゃないですか?」と突っ込む。そうやって全体で議論したうえで、最後にもう一度、個人で書き直すんです。ブラッシュアップですね。
――解く→議論→発表→書き直し。それで2〜3週間かけて、ようやく1問。
市野瀬:はい。だから扱える問題数自体は、実は多くないんですよ。でも、これが一番効くんです。
この狙いはシンプルで、国語という科目の試験は、東大に限らず、あらかじめ存在している完璧な100点回答を目指す試験じゃないと考えています。細かいことはおいておいて、「核」を掴めているかどうかなのではないか、と。


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