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ライフ #自動車最前線

「EVは長距離に不向き」という常識は本当か? レクサス「RZ」で350km走って見えたGTカーとしてのリアルな実力

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トヨタ自動車のレクサス「RZ550e "F SPORT"」。EV専用モデルRZの最高級グレード(写真:筆者撮影)
  • 田中 誠司 PRストラテジスト、ポーリクロム代表取締役、VisionVoice取締役、PARCFERME編集長
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筆者は現在、都内と山梨県中央部とを毎週のように往復する生活を送っている。そのような長距離ドライブ中心の使い方で、EVは選択肢となりうるのか――。

RZ 550e “F SPORT”の駆動用バッテリーの総電力量は76.96kWh、フル充電からの走行距離は582km(WLTCモード)。カタログ上の電費は7.56km/kWhである。

今回の試乗では、東京都心の市街地、高速道路、山梨県内の一般道などトータルで約350kmを走った。車載モニター上の通算電費は5.6km/kWh、計算上の電力使用量は約62.5kWhだった。電費はカタログ値に対して74%の実績で、バッテリー総電力量の81%を使ったことになる。

約350kmの走行なら充電なしでの往復は可能だったわけだが、実際には山梨県の業務拠点に設置した8kWの普通充電設備を使って2回(1回目は3時間59分で22.9kWh、2回目は2時間25分で13.3kWh)、それぞれ満タンまで充電した。計算上はともかく、やはり電欠を恐れる心理が働いたことは否めない。

駆動用バッテリーの総電力量は76.96kWh、フル充電からの走行距離は582km(WLTCモード)。150kW急速充電器を使えば約28分で10%から約80%まで充電できる(写真:筆者撮影)

RZは、150kW急速充電器を使えば約28分で電欠から約80%まで充電できるとしており、移動途中で充電する手もあるのだが、充電器のスペックや故障、混雑具合など不透明要因がある。現在の日本のインフラ環境ではEVでの長距離ドライブに不安は残るのは事実だ。それでも、自宅や滞在先に充電設備があれば、週末に数百kmを移動する使い方にもおおむね対応できるだろう。

エネルギーコストで優位性、グランドツアラーとしてアリ

明確なEVの利点として、エネルギーコストの低さがある。筆者の環境では、安価な深夜電力を21.61円/kWhで調達できる。今回の電費5.6km/kWhならば、1kmを約3.9円で走れる計算になる。所有するディーゼルワゴンの燃費は平均18km/Lと、全長5m近いサイズの割にかなり優秀だが、それでも1km走るのに約8.0円かかってしまう(いずれも2026年7月の燃料・電力価格と筆者個人の燃費・電費記録からの計算値)。

もちろん現在の日本では、EVを”使える”かどうかはクルマの利用スタイルや使用環境に左右される。エンジン車やハイブリッド車(HV)と同等の利便性を求めるならば、EVを選択するのは時期尚早といえるだろう。

とはいえ、RZ550e “F SPORT”に関していえば、EVならではの静粛性と滑らかさに、ステアバイワイヤから来る俊敏性が実用的なSUVに高次元で融合している。新しい時代の高級グランドツアラーの資質を感じさせる1台だった。

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