まず、いちばんよくある家庭の会話パターンを挙げてみます。
「今日、学校どうだった?」「べつに」
「楽しかった?」「ふつう」
はい、会話終了、というやつですね。自分の努力について振り返りをしてもらおうと思う親御さんが真っ先に想像するのはこういう会話だと思いますが、しかしこれで学習転移ができるようになるわけはありません。
どんなにスポーツを頑張っているお子さんでも、勉強しているお子さんでも、これでは振り返りのレベルが足りないのです。
この会話の問題点は、実は子どもの側にある訳ではなく、問いにあります。この問いでは、子どもも答えようがないということです。
「どんな出来事が起こったのか」「それについてどう感じたのか」というのは、日記レベルの振り返りです。小学生でも書けますし、保護者が関わるまでもありません。
ここで止まってしまうと、子どもの中に何も残らないんです。体験は体験のまま、経験にも学びにもならずに、ただ流れていってしまう。
体験は、振り返って初めて「その子の血肉」になる
教育方法学の世界では、「体験」と「経験」を絶対に一緒くたにしません。ここは子育てをするうえで非常に重要なので、押さえておいてください。
経験 …… 体験を振り返り、内面化した状態。
学び …… 経験をさらに振り返って、教訓として抽象化した状態。
自己成長 …… その学びを、次の行動に活かせるようになった状態。
たとえば、お子さんが運動会でリレーの選手になれず悔しい思いをしたとします。
「悔しかった」で終われば、これは体験どまりです。
「なぜ悔しかったのか」「そこから何がわかったのか」「次にどう活かすのか」というところまで言葉にして初めて、経験になり、学びになり、自己成長につながっていく。
そしてこの4段階すべてを貫く鍵が、言語化です。どこまで自分の言葉に落とし込めるか。ここが、振り返りの勝負どころになります。


※ログイン後、コメント入力が可能です。