交代の理由について、公式からの説明はない。飯沼が第1シーズンの放送後に所属事務所を移籍したことが背景にあるとみられる、と報じられている程度だ。同様に、ジャミーン役もナンディン・エルデネから本間さえに変わっている。
説明がないから、考察の材料になる。ネット上では「入れ替わりも伏線なのでは」といった声まで出ている。作品外の事情まで作品内に取り込んでしまうのが、いまの考察文化の射程の広さだ。
加えて、次回の内容について、情報を小出しにしていることも一因だろう。いわゆる「ティザー広告」と呼ばれるもので、断片的に知らせることにより興味をかき立てる手法だが、その扱い方がうまいのだ。
「考察の余地」をどう仕込むか
そもそも、この作品には原作がない。現時点では「福澤監督の頭の中」にしか全体像が存在せず、視聴者のみならず、出演者ですら、ストーリーの行方を分かっていない状況だ。
答えが用意されていないからこそ、視聴者は考える。SNS時代のコンテンツ作りにおいては、「いかに考察の余地を仕込めるか」が最重要だと言ってもいい。風評をコントロールできない代わりに、うまく使えばコストパフォーマンス高く「ヒット作」を生み出せる。
直近では、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』も同じ構図だ。原作の「セイレーン編」がXで連載されたのは2023年3月から11月。3年以上が経過してなお、日々新たな考察が生まれている。公開10日で興収44億円という数字は、その蓄積の上に乗っている。


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