(1)データの質が評価の質になる
AIは、入力されたデータや設定された評価条件を基に分析します。もし、入力情報が不正確であったり偏っていたりすれば、AIはその前提に基づいた評価を「正解」として出力してしまいます。人間側が「何を良質なデータとしてAIに与えるか」を適切に管理しないかぎり、AIは無価値な判断を吐き出し続ける「ごみ箱」になってしまいます。
(2)判断基底は企業理念にある
たとえば、「売上」と「チームワーク」のどちらをより重視するのかといった考え方は、企業の価値観によるものです。こうした判断基底(アルゴリズムの重み付け)を定義する際には、企業理念の根幹となるミッション(使命)・ビジョン(未来像)・バリュー(価値観)から導き出す必要があります。
■「作業」から「対話」へ
人事評価は、評価という「作業」を行うことで完結するものではありません。その評価を従業員本人の主観的認識に落とし込み、行動変容につなげる「対話」のプロセスが不可欠です。AI活用の恩恵は、評価作業を効率化することで、人間が対話に使う時間を創出できる点にあります。
(1)心理的安全性の醸成
従業員の「AIに監視されている」という不安を、「AIが自分の隠れた努力を見つけてくれている」という安心感へ転換していくことが重要です。そのためには、利用目的や活用範囲を丁寧に説明し、制度への理解を得る必要があります。客観的なデータを介在させることで、上司と部下の感情的な対立を防ぎ、「失敗を恐れず発言・挑戦できる」という心理的安全性の確保が「対話」につながります。
(2)評価を「成績表」から「コーチングの素材」へ
従来の評価面談は、過去の事実確認や点数という「成績表」の伝達で手一杯になりがちでした。AIが分析や原案作成を支援することで、上司は「これからどう成長してもらいたいか」という未来志向の関係構築に集中しやすくなります。面談を「対話」によるコーチングの場へ変えていくことが大事です。
新卒・中途採用者を「組織になじませる」AIの力
人的資源管理において、新たな従業員を組織に適応させ、早期に力を発揮してもらうことは重要課題です。AIは、こうした組織適応を支援するツールとしても活用が期待できます。

