ネーミングは江戸時代に庶民の金融手段として広く使われていた「頼母子講」から取った。これは参加者が持ち寄った資金を順番に誰かが受け取るという仕組みで、銀行がなかった時代にお金がない人たちが相互に助け合うことを目的として作られ、使われてきたものだ。
実際の物件は現在、すみだ向島EXPOを主宰している八島花文化財団の後藤大輝さんが活用を委託され、運用する古い文化住宅のうちの1軒。長屋のように並ぶ7軒中4軒が空き家になっていたことから後藤さんが相談を受け、それを北川さんが借り受けた形になる。
リノベーション全体の設計や施工管理は北川さんが担当、地域で活動する建築家などにも相談、協力を仰いだ。建物内には複数のアートが施されているのだが、それは地元のアーティストの手によるもの。全体の塗装はTANOMOCOのメンバーが年明けから何度かに分けて「Do it with others(みんなで一緒に)」してきた。
アートを支えるのは助成金だけでいいのか
ひとつ、面白いのはこのプロジェクトに関わっている人の中にはこれまで助成する立場にいた人たちが少なくないこと。日本工業大学先進工学部の小林桂子准教授は助成する立場の仕事にも携わっている。
「一定の役割、意義はあるものの、助成金には報告義務もあれば予算内、期間内にきれいにまとめなくてはいけないという制約もあって横展開は難しい。そうした問題を考えるとアートを支えるのは助成金だけでいいのかという疑問は長らくありました。

