ソニーグループは31日、今期(2027年3月期)の営業利益計画を1兆6000億円から1兆7200億円に上方修正した。ゲーム事業や半導体事業が好調だった。ブルームバーグが集計したアナリスト22人の予想平均1兆6540億円を上回った。
ゲーム事業の営業利益見通しの引き上げが、業績予想の上方修正の主因となった。米国の関税還付や円安が追い風となったほか、コスト改善も進んだ。関税還付はグループ全体で800億円見込んでいるという。
高収益のコンテンツ事業が引き続き堅調に推移し、インフレ下でも底堅い収益力を示した。通期業績の引き上げを受けて同社株は午後に買われ、一時4.1%高の3964円と1月8日以来の日中高値を付ける場面があった。
東洋リサーチアドバイスの安田秀樹アナリストは、「全体的に非常に強い数字で、この勢いは来期に入っても続くのではないか」と分析した。ゲーム事業の税還付金については、時期が見通せていなかっただけに、今回の計上は大きなサプライズだったとの見方を示した。
28日に発生した熊本地震を受けて、画像センサーを作る同県内の工場が生産活動を停止した。地震による業績への影響は現時点で今期見通しには織り込んでいない。熊本テクノロジーセンター(菊陽町)は、8月4日から段階的に操業を再開し、同月中旬には地震発生前の稼働水準に戻る見込みだと発表した。
一方、第1四半期(4-6月期)の営業利益は前年同期比40%増の4765億円となった。ゲーム事業は関税還付や為替の追い風で利益が大幅に伸びたほか、半導体事業もモバイル機器向けイメージセンサーの製品構成の改善や販売増を背景に営業利益が2倍超となり、全社業績を押し上げた。
市場では、音楽などコンテンツ事業の底堅さも評価された。モーニングスターの伊藤和典ディレクターは、音楽分野の売り上げ成長率は驚異的だと評価した。生成AIの普及によって、同社の競争力が低下するとの懸念もあったが、第1四半期の結果はそうした見方を打ち消す内容だという。
為替の前提レートは、5月時点の1ドル=150円前後を153円前後に、1ユーロ=173円前後を175円前後に変更した。
タムロンに買収提案
陶琳最高財務責任者(CFO)は午後の決算会見で、タムロンに完全子会社化を目指す買収提案をしたことに言及した。両社の強みを組み合わせることで、イメージング事業の競争力を一段と高められると判断したためだと説明した。
同氏は、今回の提案は戦略投資の重点分野に沿ったもので、従来の投資方針とも整合していると説明。一方で、買収提案の詳細については「コメントできる段階にない」と述べるにとどめた。

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著者:清原真里、望月崇

