子どもも同じです。特に、発達特性のある子どもたちは、言葉の入り口でつまずきやすいことがあります。だからこそ、最初のひと言がとても大切なのです。
「注意しない」のではなく、「注意が届く順番」に変える
ここまで読むと、「じゃあ、注意しちゃいけないの?」「悪いことをしても、肯定しなきゃいけないの?」と思う方もいるかもしれません。
そうではありません。
危険な行動。人を傷つける行動。社会的に守る必要があるルール。こうしたことは、当然、伝える必要があります。
ただし、その伝え方にも順番があります。
感情的に怒鳴る。人格を否定する。過去の失敗を持ち出す。「いつも」「何回言ったら」と重ねる。こうした言葉は、内容よりも"否定された感覚"が強く残りやすくなります。
何を伝えるにも、まずは「耳を開かせること」が始まりです。
特に近年は「ひといちばい敏感な子(Highly Sensitive Child:HSC)」と呼ばれる、繊細な子どもも増えてきました。こういう子どもたちは特に、「上から目線の言葉」や「頭ごなしに言われる言葉」に対して敏感です。
彼らの耳を開かせるには、子どもがまだやっていない未来のこと、ではなく、子どもが今もうやっている数分前の過去や現在のことを話題に出してあげてください。本人も気づいていなかった「もうできたこと」に目を向ければ、小さな自信が積み重なっていき、日頃の行動のスタートが以前よりもスムーズになります。
子どもは、毎日たくさんの言葉を浴びています。
「早くして」「ちゃんとして」「また?」「まだ?」「いい加減にして」。こうした言葉が続くと、子どもの脳は、日常を「注意される場所」として記憶しやすくなります。

