すると、子どもの脳は「責められた」ではなく、「見てもらえた」と受け取りやすくなります。この違いは、とても大きいのです。
肯定から入ると、親の提案が届きやすくなる
ここで、誤解してほしくないことがあります。
肯定から入るというのは、子どもを甘やかすことではありません。宿題をしなくていい、支度をしなくていい、ゲームをやめなくていい、と言っているのではありません。むしろ逆です。子どもに次の行動をしてほしいからこそ、最初に肯定から入るのです。
たとえば、宿題の場面。
「まだ宿題やってないの?」と言う代わりに、
「ノート出したんだね。まず1問だけ一緒に見てみようか」と伝える。
朝の支度なら、
「早く着替えて」ではなく、
「起きてきたね。まずはパジャマを脱いでみようか」
ゲームなら、
「いい加減やめなさい」ではなく、
「今、いいところなんだね。あと1回やったら終わりにしようか」
このように、肯定から入って、そのあとで提案する。すると、子どもの脳は、親の言葉を"攻撃"ではなく"次の行動への案内"として受け取りやすくなります。
本書では、「療育に行きたくない」と動けない子に対して、「早く行くよ」と急かすのではなく、その子の好きな電車に合わせて「○○線と××線、どっちで行こうか?」と声をかける事例も紹介しています。
「早く行くよ」と言われるのと、「どっちで行こうか?」と選べる形で言われるのとでは、子どもの脳の受け取り方が違うのです。
大人でも同じです。いきなり「まだ終わってないの?」と言われるより、「ここまで進んだんですね。次はここを確認しましょう」と言われたほうが、聞く耳が開いて、動きやすいはずです。

