さらに驚くべきは、今回の議長人事をめぐって登場する言葉が、政策や議会改革ではなく、ゴルフ、高級料亭、飲食といったものばかりであることだ。福岡県民は「県議会とは何をするところなのか?」と疑わざるをえないだろう。
地方議会の本来の役割は、条例を制定し、予算を審議し、首長をはじめとする執行機関を監視することである。福祉、医療、教育、防災、産業振興、公共交通、人口減少など、自治体が直面する課題は数多い。にもかかわらず、議長選出の舞台裏から聞こえてくるのが、誰をゴルフに招待したか、誰と料亭で会食したか、誰にいくら渡したかという話ばかりであれば、議会政治への信頼が損なわれるのは当然である。
ずさんな海外視察の事後報告
これと重なるのが、福岡県議会の海外活動をめぐる問題である。報道などによると、24年以降、県議会独自の海外視察に加え、知事を団長とする海外訪問団への参加などを含め、県議会議員の海外活動は延べ17の国・地域で25回実施され、公費支出は約1億5000万円に上った。同じ国・地域を複数回訪問したケースも含まれる。にもかかわらず、高額な宿泊費や渡航費に加え、視察成果の説明が十分でなかった。
海外活動そのものは否定されるべきではない。海外の先進事例を調査し、県政へ反映することには十分な意義がある。だからこそ、目的、成果、費用の妥当性について県民に対する説明責任が不可欠だ。
福岡県議会では、24年ごろまで海外視察報告書の作成が義務付けられていなかった。その後、批判を受けて報告書の作成・公表を決めたものの、対象は県議会が独自に行う一部の視察に限られ、知事への随行や友好交流を目的とする訪問などは対象外とされていた。
26年6月時点で、公開されていた報告書は、24年11月のエジプト視察と25年8月の中国視察の2件にとどまっていたと報じられている。

