これらの3都県以外では、あくまで個人的な印象だが、三重と滋賀の県境沿いに南北約55キロにわたって連なる鈴鹿山脈で事故が多発している。
山々の標高は1000~1200m前後だが、尾根や谷が入り組む複雑な地形は、一部で「迷宮」と評される箇所もあり、道迷い遭難があとを絶たない。険しい山容の三重県側では、急峻な岩場での滑落事故も多い。
また、単体の低山でいうと、栃木の古賀志山と岐阜の金華山。
古賀志山は切り立った岩場やナイフリッジ(ナイフの刃のように鋭角に切り立った尾根や岩稜など)が多く、場所によっては地盤も脆くなっているので、足を踏み外したり転倒したりして転滑落する事故が頻発している。
金華山には初心者から上級者向けまで10本の登山道が整備されており、いずれのコースも30分~1時間ほどの短時間で山頂に立つことができる。
ただし、急傾斜の岩場、幅が狭く滑りやすい道、岩や木の根が露出した箇所などの危険要素も多く、転倒や滑落による事故がひきもきらない。
また、分岐点を間違えたり踏み跡に入り込んだりして道に迷ったり、気温が上がる夏場には脱水症や熱中症にかかって行動不能に陥ったりする事故も報告されている。
登山者が多ければそのぶん事故も増える
以上挙げてきたのは、多くの登山者が訪れる人気の高い山域や山であり、人が多くなればなるほど事故も増えるのは当然のことである。
しかし、全国各地には、登る人があまりいないから遭難事故が目立っていないだけで、もし登山者が増えれば遭難事故も急増するであろう低山もたくさんあるはずだ。
コースタイムが短く危険箇所もなさそうな低い山に登るのであっても、事前にしっかり情報を集め、計画や装備などの準備を万端ととのえたうえで、決して「低山だから」と気を緩めることなく臨んでいただきたい。

