ただ一方、これらの自覚症状がまったくない、つまり「無症状の期外収縮」の方も多く、むしろ多数派かもしれません。健康診断などで指摘されて、初めて期外収縮という不整脈があることを知る、というケースです。
「不整脈があります」と診断されると、心配になると思います。しかし、お話ししたように、期外収縮は健康な方にも起こっています。期外収縮は、心臓に悪影響を及ぼしたり、突然死につながったりするものではありません。心配は不要で、放っておいて大丈夫です。高齢の方でも、基本的には治療の必要はありません。
少し細かいことを言えば、心臓の"上の部屋"(心房)で起これば「上室性期外収縮(心房性期外収縮)」、"下の部屋"(心室)で起これば「心室性期外収縮」との診断名がつきますが、特に治療はしないのが原則です。例外は、心不全や心筋梗塞、心筋症を起こしたことがあり、心臓の動き・パワーの低下が懸念される方です。その場合は薬などの治療が検討されます。そうでなければ、心配はいらないのです。
「5連発程度までの期外収縮なら心配ない」
健康診断や病院で心臓を診てもらったとき、期外収縮が連続して起こると、医師からこう告げられることがあります。
「危険な『心室頻拍』という不整脈なので、すぐに治療しましょう」
しかし、これはちょっと大げさな表現だと、私は思っています。連続していると言っても、2連発や3連発の期外収縮なら、実際には放っておいても健康上の問題はないからです。
心室頻拍が、危険を伴うことは事実です。ただ、その状態に本当に相当するのは期外収縮が20連発ほど続いた場合です。それは、脈をリズムで表すなら、「トン―トン―トトトトトトトトトトトトトトトトトトトト」と、期外収縮が治まらないとき。このような場合に限っては、早く治療をしたほうがいいでしょう。もっとも、ご本人が苦しいので、放っておくことはないと思います。

