INDEX
歴史ロマンを追う心理と似ている
──「こんなトンデモ学説があるのか!」と驚きました。『古事記』がサンスクリット語で書かれているなんて学説があるんですね。
サンスクリット語だけでなく、タミル語で読める、朝鮮語で読めるという説など何種類もある。
なぜそんな学説が出てくるのか。本質的には「源義経=チンギス・ハーン説」のような歴史ロマンを追う心理と似ている。よくわからない古代の空白をたくましい想像力で補完して、魅力的な物語に仕立て上げたいという欲求だろう。
個々の説はそれほど大きな勢力にならないが、こうした「他言語解読モノ」の学説は、定期的にゾンビのように湧き出てくる。不思議な根強さがあるジャンルだ。
──トンデモ学説を「大喜利型」「信念型」「ナショナリズム型」と大きく3つに分類されています。どのように着想した分け方ですか。
最初から枠組みが決まっていたわけではなく、執筆する中で整理していった。
1つ目の「大喜利型」は、いま話した「古事記が何々語で読める」といった、最も粗がわかりやすいタイプの説だ。言葉の表面的な類似性に飛びついて面白がる姿は、テレビ番組の「空耳アワー」などと大差ない、と気づいた。
この記事は会員限定です
残り 2027文字


