「新商品を開発する際は、マーケティング・クリエイティブ・技術・営業と複数のチームが連携します。そうすると、その時期は朝から晩まで、毎日ディスカッションに明け暮れているんですよね。
『キーマンを納得させなきゃダメ』とか『根回しが必要』とか、よくある話として聞きますけど、当社はオープンな雰囲気があります。だからこそ、会議が全然終わらないんですけれども……(笑)」(亀田製菓株式会社 マーケティング戦略部 亀田の柿の種ブランド 担当マネージャー 児浦 隼人さん)
「梅しそ味」が今も売り場に並び続けていることが、同社の変化をよく表している。
25万票を集めた「柿の種」国民投票
迎えた2019年、亀田製菓は大胆なキャンペーン策を打ち出した。それは、40年近く守られていた「柿の種」6割、ピーナッツ4割という比率を、消費者に問い直す試みだった。
「当たり前を疑え!国民投票」と銘打ち、タレントのマツコ・デラックスさんをキャラクターに起用。外部のリサーチ会社に調査依頼する選択肢もあったが、あえて消費者投票という手段を選んだ。例年、アンケート形式で顧客の声を集めていたことも、後押しになったのだろう。
「非常に多くのお客様にご支持いただいている商品だからこそ、生の声を広く聞きたいという思いがありました。外部のリサーチだとどうしても人数が限られてしまうので、それよりもより多くの方のご意見を伺える、国民投票という形に踏み切ることにしたんです」(児浦さん)
投票期間は2カ月間。X(旧Twitter)・LINE・ハガキでの投票を受け付けると、なんと25万票が集まった。「せいぜい数万票集まったらいい方だな」と考えていた社内は、にわかにザワついた。さらに衝撃を受けたのが、その投票結果だ。長年守られていた「6対4」の比率は、まさかの3位。1位は、7万5000票以上を集めた「7対3」だった。

