時流を味方につけながら順調に売り上げを伸ばす一方で、1990年代に入ると予期せぬ壁にぶつかった。この頃になると類似商品が多数現れるようになり、大手スーパーにいたっては亀田製菓より価格が100円も安い、PB(プライベートブランド)商品を発売したのだ。これを受け、「亀田の柿の種」は徹底したコストの見直しを図り、品質を維持しながら同じ価格で対抗したのだが――思わぬ問い合わせが入るようになった。
「○○(大手スーパー)で『柿の種』を買ったら、いつもと味が違うんだけど……」
PB商品を「亀田の柿の種」だと勘違いして購入した消費者から、風味や食感の違いについてのクレームが相次いだのだ。複数のメーカーで「柿の種」と名乗る商品を発売しているのだから、誤解されてしまっても仕方のないことだろう。この事態に、同社は独自の品質をアピールするため、黄色・赤・オレンジがベースのパッケージに、「ブルーリボン」のデザインを導入した。以降、現在に至るまでこのデザインが踏襲されている。
地域限定の「わさび味」が定番化
2000年になると、醤油味のほかに「わさび味」が定番商品に追加された。もともとは信州エリア限定のお土産品として販売されていたところ、人気に火がついたことで、全国の小売店に並ぶことになったのだ。
発売から60周年を迎えるが、バリエーションを増やし始めたのが26年前とは、意外にも遅い気がする。率直な疑問をぶつけてみると、「1990年代以前はレギュラー商品(醤油味)の定着に注力していた」らしい。
2001年以降は、年に1〜2品ほどのペースで期間限定フレーバーを発売。キムチ・コチュジャン・豆板醤など、「わさび味」と同じく「ビールのおつまみ」として合わせやすい、辛味のある商品を開発している。

