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キャリア・教育

英検1級でも生徒会でもない…大学入試で"高評価された子"の意外な経歴 大学は推薦・総合型入試が主流の時代に

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(漫画:『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』より)
推薦入試で、大学が本当に見ているものとは(漫画:『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』より)
  • 孫 辰洋 リザプロ代表取締役

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大学入試のあり方はここ数年で大きく姿を変えています。「これからの進路はどう考えればいいのか」──こうした悩みを抱える親御さんはとても増えています。今回は、推薦入試で"高評価される子"について、『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』を上梓した推薦入試の専門家・孫辰洋氏が解説します。

「高校時代に力を入れたことは、散歩です」

2年前、東京大学経済学部の推薦入試の面接会場で、ひとりの受験生がこう言ったそうです。

面接官はさぞ驚いたはずです。彼の周りには、数学オリンピックで表彰台に立った生徒や、国際的な学会で発表経験を持つ生徒、英検1級を早々に取得した生徒たちが並んでいました。誰もが客観的に「すごい」と言える実績を握って、この最難関の門を叩いていたのです。

そんな中、奈良県の私立高校から出願した下村英理さんは、目立った大会実績を前面には出しませんでした。彼が志願書で最も強く押し出したのは、放課後に地元の街を歩き、そこで出会うおじいちゃんおばあちゃん、商店街で働く人たちと言葉を交わし続けた、その積み重ねだったのです。

そして下村さんは、東京大学経済学部に、現役で、学校推薦型選抜で合格しました。

隣にいたはずの「オリンピック級」の生徒たちの中には、涙をのんだ人もいたと聞きます。この一見不可解な合否の分かれ目には、推薦入試という制度の本質が、驚くほど正直に映し出されているように思います。

「実績信仰」がなぜここまで強いのか

保護者の方とお話ししていると、推薦入試についてほぼ例外なく聞かれることがあります。「うちの子には、何か賞がないと厳しいですよね?」「英検は準1級までは取っておいた方がいいですよね?」――。

その気持ちはよくわかります。何しろ、私たちの世代が経験してきた受験は、点数と肩書きが物を言う世界でした。数字が高い方が勝つ。実績が派手な方が有利になる。就活の面接でも、まずはガクチカ(学生時代に力を入れたこと)として、何らかの「成果」を語ることが求められてきました。

その延長線上で推薦入試を眺めると、どうしても「目立つ実績を集める競争」に見えてしまうのです。英検でも、数学オリンピックでも、留学経験でも、生徒会長でも、とにかく履歴書に書ける肩書きを積み上げれば通るのではないか。そう考えたくなる気持ちは、私自身も現場に立つ人間として理解できます。

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