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キャリア・教育

英検1級でも生徒会でもない…大学入試で"高評価された子"の意外な経歴 大学は推薦・総合型入試が主流の時代に

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(漫画:『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』より)
推薦入試で、大学が本当に見ているものとは(漫画:『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』より)
  • 孫 辰洋 リザプロ代表取締役
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しかし、推薦入試は、コンテストの表彰台ではありません。大学が本当に見ているのは、「この生徒は何をしてきたか」ではなく、その一歩奥、「なぜそれをしてきたのか」「その関心は本学部での学びとどうつながるのか」「入学後にどう伸びていくのか」という3つの問いなのです。

ここで少し厳しい話をします。どれほど立派な実績であっても、志望学部との接続が語られなければ、推薦入試ではほとんど決定打になりません。

たとえば、書道部で県大会優勝という実績があったとします。長年の反復に耐え、緊張感のある本番で結果を出した、掛け値なしに立派な経験です。ところが、その実績をそのまま法学部の志望理由書に置いた瞬間、話は少しおかしくなります。「なぜ書道で培った力を、あえて法律の場で使うのか」という接続が見えないと、大学の担当者はこう思ってしまうのです。「素晴らしい生徒だ。でも、この人はきっと文学部でも、教育学部でも、同じ話を書ける」

つまり、実績が"宙に浮く"のです。

推薦入試で怖いのは、実績がないことではありません。実績が、志望学部と結ばれていないことです。派手な経歴を並べれば並べるほど、接続を欠いた瞬間に「これは他の学部でも通用してしまう話ですね」という致命的な印象を残してしまう。世界的な大会で結果を残した生徒が、志望理由書の中で自らの実績に押しつぶされてしまうことは、実は珍しくないのです。

(漫画:『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』より)

なぜ「散歩」で受かったのか

では、下村さんの「散歩」は、なぜ大学に届いたのでしょうか。

彼は、ただ歩いていたわけではありませんでした。地元の街を歩きながら、そこで出会った人たちに話しかけ、生活の中の困りごとを聞いていったのです。空き家が増えていること、商店街から若者の姿が消えていること、観光客の足が遠のいていること。散歩から始まった対話は、いつしか地域課題のヒアリングになり、そこから彼は、課題解決のための小さな課外活動を自ら立ち上げていきました。

つまり、下村さんの「散歩」は、単なる趣味の告白ではなく、自分の関心 → 社会の課題 → 大学での学び → 将来の方向性という一本の線を、素直な言葉で辿り直す語り方だったのです。地域の高齢者との会話から立ち上がった問題意識は、経済学部で学びたい理由へと自然につながり、その先の進路像へと伸びていく。大学が呼びたいのは、この「線を引ける人」でした。

下村さんは、あえて大会の履歴をほとんど強調しませんでした。それは「別に自分のやりたいことをプレゼンするために必要な内容ではなかったから」だと言います。そして、実際の面接でもその点を突っ込まれることはなかったそうです。それで、東大は彼を選んだのです。

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