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バケツに穴が空いたような状態、GPIF活用は「金融抑圧」そのもの
――円安進行が止まりません。現状は1ドル160円台が常態となり、マーケットでは170円台も意識され始めています。円安はどこまで進むのでしょうか。
私は今の日本は、バケツに穴が空いたような状態だと思っています。この穴がきちんと埋められない限り、円安はとめどなく進みます。この「穴」の正体とは何でしょうか。それは本来あるべき政策金利からの乖離です。
世界の中央銀行は適正な政策金利を計算する方程式として、テイラー・ルール(政策金利の適正値を物価や経済成長率などのマクロ経済指標から算出する計算式)を普遍的に使っています。これは、経済を加熱も冷却もしない中立実質金利をベースに、足元のインフレ率と目標インフレ率の差、景気の過熱度を示す需給ギャップを加味して「政策金利の理論値」を弾き出すものです。
日本銀行は6月に政策金利を1.0%に引き上げましたが、それでも主要な推計モデルを使ったテイラー・ルールの理論値よりも3%以上低い。つまり、日本の経済実態に対して金利が不自然に低すぎる状態に放置されているわけです。表面的に日本の金利が上がっても、市場からは「日銀の対応は後手に回っている」とみなされ、資本が日本から流出しているのです。
このように政策目的で金利を低く据え置くことを「金融抑圧」と言います。この金融抑圧が続く以上は、円安進行は基本的には「どこまでも進む」と見る必要があるでしょう。
――そういった中、日本政府は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内資産に投資するよう後押しする方針を示しました。この方針は事実上のマーケットへの口先介入という観測もありますが、効果をどう見ていますか。
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