高校までの勉強や大学受験とは違い、ビジネスやマーケティングの世界には「これをすれば100点が取れる」という明確な解が存在しない。特に流行の移り変わりが激しい若年層マーケティングにおいては、昨日までの正解が明日も通用するとは限らない。
自分が正しいと思う努力をしてきた大学時代
大学時代までの中山さんは、「正解を追い求めること」に必死だった。それは、中山さんの大きな成功体験になっていた受験勉強がそうであり、その認識が否定されることもなかったからだ。
正しく努力すれば正当な結果が返ってくる。そう信じて、自分が正しいと思う努力をして、ミス青山にも臨んでいた。「自分が正しいと思った努力をすればグランプリは獲れる」と信じて。
だが、さまざまな変数の多いミスコンには「絶対的な正解」は存在しない。全員が「自分が正しいと感じる努力」を手探りで続けて、「自分なりの正解」を確立していくしかないのだ。
中山さんは大学時代にはその現実に気づけなかった。しかし、社会人としてキャリアを積んでいくなかで、「世の中には正解がないことのほうが多いのかもしれない」と感じるようになった。
特に、中山さんがそう感じたのは、とある地方自治体の地域PRのプロジェクトに取り組んだときだったという。
「そのプロジェクトでは、一般的なSNS手法や観光PRではなく、その地域の『独自の解』を見いだすことが求められていたのですが、どんなPRを打ち出すべきか最初はまったくわかりませんでした。
そこで私たちは、ターゲットとなる若年層のリアルな視点を徹底的に分析し、リアルターゲットである大学生メンバーが『若者の心をつかむにはこの案が最適だ』と自信を持てるまでアイデアを出し合い、独自のプロモーションを仕掛けていきました」
絶対的な正解がないからこそ、思考を止めずにターゲットのインサイトに愚直に向き合い続ける。その結果、同プロジェクトは、日本で最も歴史のある総合広告賞「広告電通賞」をはじめとする、3つの広告賞を受賞した。

