有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス

青山商事の《着る虫よけ》ちょっと不審者にも見えるけど…"意外にも売れている"背景に迫った

9分で読める
防虫メッシュアノラックプルオーバー(写真:筆者撮影)
  • 丹羽 桃子 工場見学マニア・ライター
2/5 PAGES

生地は、通気性の高いメッシュ素材と布帛(ふはく)素材を組み合わせた仕様。布帛部分には、強度を高めるため、強い糸を格子状に織り込んだリップストップ組織が採用されている。縫製部分も含め、全体的にしっかりと作り込まれている印象だ。

前面には大きなカンガルーポケットを備えている。収納物の重さを分散できるため、メッシュ生地の一部に負荷が集中しにくく、耐久性にも配慮した設計だ。

ここまでは一般的なメッシュタイプのアノラックプルオーバー(頭からすっぽりかぶるパーカー)と大きな差はないようにも見える。

「着る虫よけ」の最大の特徴は、蚊が嫌がる成分を生地に加工していることと、顔までしっかり覆える設計にある。フードには顔全体を覆えるフェイスガードを内蔵し、蚊が侵入しやすい首元部分をできるだけ露出させない工夫が施されているのだ。

家庭菜園で着用、蚊に刺されなかった!

実際に筆者も、家庭菜園で約30分間着用してみた。

防虫メッシュアノラックプルオーバー、実際に家庭菜園で試してみた(写真:筆者撮影)

顔まで覆った状態でも、視界の悪さや息苦しさを感じることはなく、上半身が蚊に刺されることもなかった。蚊が気になる季節の屋外作業では、心強い一着だと感じた。

防虫メッシュアノラックプルオーバー(写真:青山商事)

冒頭でも触れたように、防蚊機能を最大限に発揮しようとすると、どうしても「不審者感」は否めない。しかし、使用シーンに応じて着方を変えられるのも、この商品の魅力だ。

顔を覆うメッシュ部分は収納でき、フードを下ろせば、普段使いのアウターとしても違和感なく着用できる。

なぜ青山商事は、ここまでこだわった防虫ウェアを開発したのか。

商品を企画した青山商事の商品第一部 副部長の宮園孝大さんによると、企画が動き始めたのは2025年9月ごろ。きっかけは、「働く人を支える」という青山商事の商品開発の考え方を、仕事中だけでなく休日へも広げようとしたことだった。そこへ、近年の気候変動によって、蚊への対策が必要な期間が長期化していることも重なり、防虫ウェアの開発がスタートした。

「当社では、これまでも接触冷感やストレッチ性のあるビジネスウェアなど、仕事中を快適にする商品を数多く展開してきました。ただ、仕事のパフォーマンスを上げるには、オンの時間だけでなく、オフの時間を快適に過ごすことも大切です。特に、屋外でのリフレッシュ時間をより快適にすることが、働く人を支えることにもつながるのではと考えました」

そう話す宮園さん。実は、この商品の原点には、宮園さん自身の困りごともあった。

3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数